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デニム研究所

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【元・生地屋が解説】そもそもセルビッチとは/#2

デニム研究所 by JAPAN BLUE 倉敷店

吉田

デニム研究所・倉敷店の吉田です。
前回の生地の話は如何だったでしょうか?

楽しんで読んで頂けた?!という前提で、今回も引き続きデニムの生地についてです。

前回は“ざっくり”とセルビッチ・デニムについて書かせていただきましたので、
ここからは、もう少し突っ込んでいきます。

まずは、染色。

弊社のデニムは基本的に「ロープ染色」という染色方法で経糸を染めています。

染色方法としては他にも、糸をチーズ状に巻き取ったものを染色機の中で染料に圧力を掛けながら
外側、内側と循環させる「チーズ染色」という方法や、手作業で染める「枷染め」なんて言うのもあります。
しかし、ロープ染色で“経糸を合成インディゴで染めていく”という工程が、
ジーンズ最大の魅力である「色落ち」に大きく関係しています。

 チーズ>

 <枷>

 <枷染め>

ロープ染色の基本工程は枷染めと同じです。
枷染めは「枷」と呼ばれる糸の束を染料の中に浸して、手で揉んだ後に引き上げて酸化させる染色方法です。
手で揉むことによって染料が糸の芯まで染み込むのが特徴で、全てが手作業ですので生産量は少ないです。

サイズ感は違いますがロープ染色も染色の原理は同様で
「糸をロープ状に束ねてインディゴ染料の中に浸ける、引き上げて酸化させる」を
繰り返すことで糸に染料を固着させていきます。

<ロープ染色機>

ただ、ロープ染色はジーンズの需要の拡大による大量生産に対応する為に開発された技法なので、
生産性重視を重視した結果、糸を揉みこむ工程を省いています。
染料の浸透圧だけで染色していくので、糸の中心部まで染まらずに白く芯が残ります。

インディゴ染料は元々、染色堅牢度が低く色落ちするのが特徴の染料です。

色が落ちていく性質のインディゴ染料を芯まで染まり切らないロープ染色にすることで、
着用や洗濯によって糸の表面から染料が剥がれ落ちていき、やがて糸の芯が出てきます。
この原理によってジーンズならではの魅力である色落ち、所謂「アタリ」が付くのです。

安価な作業着としてのジーンズを大量生産する為のロープ染色の
「糸の芯まできっちりと染まらない」という欠点が、デニムの最大の魅力である
「色落ち」を引き出す要因になるとは当時誰も思わなかったのではないでしょうか。

本来、ジーンズは色落ちをさせる目的で設計されたものではありませんでした。
しかし穿きこむことで表情を変えるデニム/ジーンズに、
“経年変化を楽しむ”と言う新しい価値観を見出したことで、デニムの魅力はさらに広がったのだと思います。